【コラム 持続可能な建材シリーズ1】シロアリ保証はどうして5年ごとなのか?!
●シックハウス症候群の原因の大きな一つがシロアリ対策の薬剤でしたので、国は 2003年にシックハウス対策法として薬剤成分の有機リン系クロルピリホスを規制しました。が、しかし・・・
●現在では薬剤メーカーが出しているそのほとんどが有機成分の薬剤です。有機成分は約5年で分解されてしまうので、殺虫効力も約5年で無くなってしまいます。そうすると、5年経過する毎にまたシロアリ点検のハガキが送られてきて、再施工して5年保証がつくわけです。
●この5年毎のサイクルは永遠と続き、シロアリ業者の仕事も永遠と続くわけです。日本しろあり対策協会(白対協)に加盟している業者さんは5年ごとに仕事があるので、脱退しないという訳です。ちなみに土台に薬剤を加圧注入しているものは、5年後、加圧注入できませんので、塗布になってしまいます。
●しかし、この有機成分からなる薬剤は、クロルピリホスは使用していないまでもなかなか体にも環境にも悪い成分が多く、ネオニコチノイド系という神経系の薬剤はミツバチがこの世から無くなってしまうほどの影響があるし、除虫菊の成分である天然ピレトリンや天然ヒバ油といった自然由来の物でも人体に長く浴びていると、体内の脂肪分に蓄積したり、脳幹を通り中枢神経を刺激するのでよくありません。
●そこで、有機物ではなく、無機物を使用したのがホウ酸です。ホウ酸は元々、山から採れる鉱物で、その精製度をさらに高めてホウ素含有率の高いホウ酸塩(ティンボア)というものを使用します。代表的な製品名としては、ボロンdeガードがあります。
●ホウ酸(ボロン)は、塩と同程度の毒性ですので、人がなめても良いくらいのものです。ただし、小さな虫が体内に入ると窒息し、死にます。言い換えると、人が塩や醤油をなめても大丈夫ですが、コップ1杯分一気に飲むと、死んでしまいます。
●これぐらいの毒性なのですが、無機物は揮発する物が無いので、ホウ酸塩の近くに来たところで虫は死にませんし、忌避作用もありません。あくまでも食毒なのです。ゴキブリ対策のホウ酸ダンゴも同じこと。
●その無機物ということから、分解されないので、5年どころか何年も持続しますので、床下にホウ酸塩を施工すると、半永久的に持つということなのです。弱点もあります。それは、水に溶けやすいということですので、洪水などで床上浸水などがあれば、流れ出て行きますので、再施工が必要になります。