無添加住宅バンドール2000 逆スラブ基礎・断熱

無添加住宅バンドール2000 逆スラブ基礎・断熱
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通常は基礎の立上りの腰壁があるのですが、この基礎はそれが無い分、全体的に地面より上に上がっています。

しかし、柱や壁のくる位置には、基礎が大きく地中に張り出しているので、地盤面としっかりくいついている状態になります。

また、床下空間が無くなるので、地熱を直接コンクリートが伝えることになるので、冬は暖かく、夏は涼しい快適な空間になります。
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この白いのはパフォームガードというシロアリにも食べられないホウ酸入りの断熱材で、継ぎ目や設備配管の貫通部にはボレイトシールというホウ酸入りのコーキング剤を充填し、シロアリの侵入を防止します。
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一般的なベタ基礎と逆スラブ基礎にした場合とに比較した地中の温度変化の様子です。


明治の初め、北海道・アイヌの人々の生活の知恵として、家をつくる時に床は作らず、土間にそのまま萱など草をたくさん敷いて寝るということがあった。それで冬の寒さをしのぐというのです。それを学んだ入植農家たちは床板を張らない家をつくり、土間に草を敷き詰めてそこに寝た。内地とは全く違った厳しい寒さだったが、地温に加えて敷き草も温かく、それで何とか冬を越せた。

一方、武士の入植者は身分の違うアイヌと仲良くなるどころか軽蔑していた。当然のことながら、土間にそのまま寝るなどというのは野蛮な土民のすることだと内地にいた時と同様に床板を張った家を建てた。そして冬を迎えた。ところが寒い。むしろを敷こうと何であろうと、床下から床板の隙間を通って入ってくる冷たい外気、床板に直接伝わる氷点下何十℃の外気温、布団に入っても温まるのは容易ではない。それで子どもをはじめ弱いものから病気になり、死んでいったという。
~東北大学名誉教授(農学博士) 酒井惇一氏 「随想・東北農業の七十五年」より一部転載



普通の民家では、土間から板敷きの間に上がる形が多いのですが、土間に茅束を敷き、その上にゴザを敷いた所にいろりがあり、これを「イドコ(土座)」といい、甲府盆地のほか、東北・中部・北陸に見られます。

現在ではほとんどの家づくりが床下空間をつくっています。この床下空間の温度は基本的に外気温とほぼ同じになっています。これは、基礎のコンクリートと外壁との間に風を通すための隙間を設けているためで、床下の湿気を通風することで防いでいます。

しかし、湿度の高い床下(地域)には、隙間を設けただけでは乾燥してくれず、当然ながら炭を床下に敷き詰めてもほぼ意味はありません。本来なら弥生時代の高床式のように完全に外から床下が見える開放的なものが必要になります。



地中熱エネルギーは、その深度によって影響を受けることが全国地中温度記録データから判明してきました。上の図は大阪での冬(1月)の地中熱の推移を表したもので、一般的な基礎と逆スラブ基礎の場合とで、地中熱の伝わり方が変わる様子がわかります。

一般的な基礎の場合、床下に空間があるため、家の生活温度がほとんど地中に蓄熱されませんが、逆スラブ基礎の場合は、床に断熱を施していないため、コンクリートに蓄熱し、さらに長い時間かけて地中にも蓄熱していき、エネルギーが保存されます。

来週は待望の上棟です。

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