【基準】とは何のためにあるのか?
それは初めは【基準】などは存在しません。ある1人の人が新しいことをし始める(=開発者)。▶やがてその新しいことが良いと思って複数の人が似たようなことを真似し始める。
▶開発者はそれに負けじともう1歩先を行き、進化させる。
▶さらにそれをみた人がどんどん真似をし、改良し始め、あらゆる可能性を追求し、広めて行く。
▶ある程度広まると真似をする人は開発者が正しくない(危険な)方向に行かないように自分が認める許容範囲の【数値】を設ける。これが【基準】です。開発者はこの【基準】から外れるものを認めず、範囲内のものを自分の認定とします。これが【資格】です。別の呼び方で言うと、囲い込みとも言います。
今、仮に開発者としましたが、どれにでも当てはまります。この開発者が国だとすれば基準は法律ですし、業界団体等とすれば、JISSやJAS等にあたります。
ここまでは、いたってごく普通の話ですが、この【基準】が正しいか否かは、この開発者が判断するのです。大事なのは物や事の本質的に正しいか否かということです。開発者が考えたものが、市場的にごく小さなものならいいですが、これが大きくなってきたときに少々おかしくなってきます。
これは、大手企業や大きい組織が絡んでくると、市場経済に有利に働きかける傾向があるため、【基準】というものが経済に有利な【基準】に変化したりします。またこういうことをメディアで報道されたり、CMで放送されると、国民は不思議と信用してしまうのです。特に日本人は気が小さいのでそういう傾向が強いです。当然、経済だけを目的にした【基準】もあるので、それは今回は置いときます。
こういう現象があらゆる業種で行われています。
例えば建築業界では、火災に対してとても敏感に法律は定められているように思いますが、実は燃えにくいという観点でいうと、外からの火に対しては外壁の構造は耐火や不燃など細かくありますが、室内からの火に対しては台所など火を使う部屋以外では、決められていません。また大手企業はこの基準をクリアする目的で少々おかしな方法で実験する会社もあります。
さらに室内の火災で発生した有毒ガスに対しては、全く法律で決められていないのが現状です。これが市場経済都合によるもので、これが定められると、建材市場にとても影響を及ぼしてしまいます。しかし、この法律が無いために年間2000人は、一酸化炭素ではなく、青酸ガスで亡くなっているのです。
もし仮にあらゆる業種の【基準】がこういった市場経済に左右された【基準】になっていたとしたら、その基準内の【資格】をもった方々は、物や事の本質的に正しいか否かということではなくて、経済が有利になるように【資格】をもっているということになります。
2020年には住宅も省エネという観点で【基準】が大幅に変わろうとしています。さらにこの【基準】をめぐって、ごく微細な【数値】をものすごい勢いで競い合ってます。この【基準】が変わるためにあらゆる副作用が出てくるのですが、それは、今のところ目をつぶって隠している状態です。果たして、見えていないほとんどの建築会社の方々はその先のことを想定しているのでしょうか・・・
医療業界では製薬会社の実験方法やオーガニックも日本農林規格がありますからね。
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