住宅を建てる時には建材というものを使用しますが、住宅メーカーがつくる家は見渡す限り”新建材”というもので出来ています。
この”新建材”といわれるものがあるならば、”旧建材”というものもあるはずです。
「無添加住宅」は、その旧建材でつくられているのです。
新建材は新しくて良いものというイメージを、CMなどで告知しているのでお客様は洗脳されていますが、実は「家の寿命を短くするために開発されたもの」と思わざるを得ません。
まずは、新建材の家では集成材や集成柱、構造用合板などで建てられます。これらの構造材は、木と木を接着剤で貼り合せたものです。接着剤は何でできているかご存知でしょうか。実はプラスチックなのです。木と木の間にプラスチックをからませて貼り付けてあります。
第一に、プラスチックは湿気で膨らみませんが、木は湿気があると膨らみます。
なのに、プラスチックと木が一体となっていることに不自然を感じませんか。
収縮率が違うものを一体にすると、プラスチックと木のどちらかが疲労してくるはずです。それが何年で疲労するかは明らかではないですが、私の見ている限り30年以上経ったものはほぼ破断しています。それで構造の強度が強いと言えるのでしょうか。30年以上たった合板を手で曲げてみると、木は腐っていませんが、木と接着剤の部分が破断して、プラスチックの部分がバラバラになります。これは解体業者なら周知の事実です。
まず、プラスチックという素材が50年や100年も劣化せずに存在するでしょうか。疲労破断の他に、劣化というものも考えられます。屋外にプラスチックを置いていると、いずれ足で蹴ったら割れる状態になってきますよね。それを構造材で使っているわけですから、必ず限界がきます。木は乾燥さえしていれば、50年でも100年でも強度は落ちませんが、プラスチックが入ることによってもたなくなるのです。私は30年から40年でその寿命がくると思います。
そうすると、建築業界は経済がまわることになりますし、国は固定資産税が、建て替えによってまた最高額まで戻ることになります。国も建設業界も万々歳なのです。そして、誰が一番損をするかというと消費者なのです。他にプラスチックを使っている部分があります。それは基礎パッキンです。
家の全荷重がかかる土台の下に、なんとプラスチックの板がはめられているのです。プラスチックの基礎パッキンで家を支えているということです。もし、この基礎パッキンが30年以上経って劣化をして、阪神淡路大震災のような縦揺れの地震がくるとつぶれるような気がしませんか。土台を湿気から守るために開発された商品が、土台よりも長持ちしないものでできているのは誰も疑問に思わないのでしょうか。
当社では基礎パッキンを御影石でつくっています。
※御影石の基礎パッキン
もともと旧建材では束石といって石で支えていました。こんなあたりまえの理論をなぜプラスチックにしたのでしょうか。考えてみればわざわざプラスチックでつくっているのには何か魂胆があるのでしょう。
構造とは関係ありませんが、最近サッシがほとんど樹脂サッシというものになってきています。
樹脂とは樹の脂と書きますが、実はすべて塩化ビニールなのです。いわゆる塩ビと呼ばれているもので、バケツと同じ材料です。塩ビの中に光を反射する物質を入れていますので、バケツより劣化は遅いですがプラスチックはプラスチックです。劣化しない訳がありません。太陽と雨にさらされて、30年、40年経つと劣化するに決まっています。もしそのサッシがボロボロになって取り替えでもしようとすれば、外部の壁を全部取り除かなければ取り替えできません。外壁までやりかえなければサッシが取り替えられないなんて、住宅メーカーの思うツボです。
まさにリフォーム代金が増えるしくみになっているのです。なぜアルミサッシが減っていったのでしょうか。
旧建材ではサッシは全て木製でした。プラスチックより木製の方が長持ちするのに、木の方が早く腐るというイメージをうえつけたのはどなたでしょうか。ちなみに、50年以上たった古い鉄筋コンクリートのマンションのアルミサッシは無塗装ですが、いまだに現役で存在しております。明治時代の木造校舎も、木製建具でありながらちゃんと保存されています。
シックハウス症候群などの原因となる有害な化学物質を使わない「無添加住宅」を開発した秋田憲司さんの連載コラムより
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