海の博物館で珍しい体験をしました。
貝紫とは、アッキガイ科の巻貝の鰓下腺(パープル腺)からプルプラという分泌液を化学反応させて染色に用いたことに由来します。分泌液を取り出して日光(紫外線)に当てると、黄色から紫に変色します。
巻貝をハンマーで少し割って、黄色い液を爪楊枝で抽出します。ほんの少ししか採れません。
それを綿布に型紙をあてて、硬い筆で黄色い液をすり込みます。
ちなみにこの型紙は、伊勢型紙といって、柿渋で染められています。
それを日光に5~10分当てると、どんどん黄色~緑~紫へと変色していきます。
できあがりは、とても貝の生臭いにおいがしていますが、ぬるま湯でさっと振り洗いすると、とれます。
ちなみに貝紫は帝王色といって、3600年前に地中海沿岸でフェニキア人が行っていました。その後、ギリシャ・ローマ時代へと受け継がれ、皇帝などの高貴な人々だけに着用が許される皇帝紫と呼ばれる存在になりました。
伊勢地域では、海女さんがつける魔除けの印「セーマン☆・ドーマン#」もこの貝紫で染められていました。
#貝紫染め
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