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2006年06月05日

アレルギー人生は2才までに決まる

今や日本人の3分の1以上が悩むという「アレルギー」。私は大丈夫、と思っていても安心はできません。詳しく調べてみると自覚症状はなくてもアレルギー体質、という人は多いのです。アレルギーの中には食物アレルギー、花粉症、アトピー性皮膚炎・鼻炎、喘息などあります。昔はアレルギーなんて聞かなかったのが、今では「20代前半では予備軍9割」とも言われています。小さな子供にも「食物アレルギー」は増えています。「食物アレルギー」で死にいたることもあり、犠牲になった方は5年間で15人にも上ります。いったいなぜ食べ物でこんなことになるのでしょうか?

シックハウス症候群や化学物質過敏症のような神経系の症状に対して、アレルギーとは、生体に備わっている自分以外の物質を排除しようとする「免疫」システム。これが害のないものにも反応してしまい、外側全体を覆う皮膚や、内側の肺・胃・小腸・大腸などの表面の粘膜から細菌・ウイルス・たんぱく質などが侵入し、免疫システムが作動し、過剰反応をするとアレルギーの症状が出ます。このとき体が排除しなければならないのは外界から入る異物ばかりでなく、体の中で作られたもので、役に立たなくなった古い細胞や、性質が変化したり、またガン化した細胞も体外へ排除されます。アレルギーの原因となるのは、実はたんぱく質です。たんぱく質は肉や魚だけでなく小麦粉や卵、野菜、果物にも含まれます。




花粉症のメカニズム
免疫システムに欠かせないT細胞とB細胞。T細胞が花粉を敵と認知するとB細胞に指令して矢(=抗体)を作らせます。矢は肥満細胞にあたり、矢をアンテナにした肥満細胞は花粉が入ってくると攻撃を開始します。その結果、花粉を追い出そうと鼻水、くしゃみ、涙を出させるのです。

そばアレルギーも基本的なメカニズムは同じです。そばを敵だと認識してしまうとそばを追い出そうと肥満細胞が頑張ってしまい、結果腫れを起こすのです。そばアレルギーの人がそばを食べてしまうと、腸から原因たんぱく質が吸収され、血管を通って全身に運ばれます。すると全身の肥満細胞が一斉に反応してしまいます。その結果ショックを起こし、特に気管支で粘膜が膨らむと呼吸ができなくなり、最悪の場合死に至ります。

免疫システムのカギを握るT細胞。実はT細胞にはT1細胞(正式にはTh1)とT2細胞(Th2)がいることがわかってきました。

T1細胞はウイルスや細菌を担当。T2細胞はその他の物質を担当します。ウイルスや細菌がたくさんくる時はT1細胞が台頭してきますが、それが来ないとT1細胞の出番が少なくなり、T2細胞が代わりに台頭してきます。T2細胞は花粉や食物などを敵と認識してしまうことがあります。一旦敵だと認識してしまうともう止められません。こうしてT2細胞が増えすぎてしまった人がアレルギー体質になりやすい人なのです。

T1細胞とT2細胞が勢力争いをするのは実は2〜3歳まで。その後はそのバランスは変わりません。つまり、若い世代にアレルギー体質が増えてしまった大きな理由は、社会が衛生化して細菌やウイルスに触れる機会がここ数十年の間に減ってしまった結果、T1細胞が増えず、T2細胞が台頭してしまった結果だと考えられます。このほかに、抗生物質の使用が考えられます。もちろん抗生物質によって細菌やウイルス感染が減り人類の救いとなったわけですが、その一方でウイルス・細菌と触れる機会が減ってしまい、アレルギー体質を増やしてしまった、と考えられています。

それを防ぐには「適度に非衛生的な環境」で子供を育てることが必要です。砂場や土など自然に触れさせる機会を増やしたり、2種類以上のペットを飼うのも一つの手です。ただ、イヌやネコはアレルギーの原因ともなりますので、すでにT2細胞が増えてしまったアレルギー疾患のお子さんは別の方法を選びましょう。 最も、子供を汚い環境で生活させたほうが良いということではありません。汚い環境は体に良くないばかりか、大量のホコリやダニにさらされすぎると、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。感染症も避けなければなりません。しかし、行き過ぎた清潔志向、抗菌志向は、アレルギー体質につながる可能性があります。

最近の住宅は見た目が美しく、隙間が無い、清潔で掃除が楽というものばかりになってきました。建材もフローリング・壁紙・タイルなども抗菌対応のものばかり。防虫材や防カビ、防腐材入りのものも増えています。そうなると悪玉菌だけでなく、体に必要な善玉菌まで殺すことになり、T1細胞の活躍の場が少なくなってしまいます。そうかといって、防虫・防腐を全くしないと建物としての維持管理が難しく、傷みが激しくなってくるので、必要なところにはできるだけ天然素材を用いて、適度に対応させる必要があります。シロアリを防虫したり、雨や水分からの腐りを防ぐには「柿渋」、カビを生えさせないためにはアルカリ性である「しっくい」、押入れや収納の防虫には「桐板」、天然殺虫剤としては「馬酔木(あせび)」という植物の煮汁を用いたり、「山椒の実」や「楠木の葉」=樟脳を見えない部分に敷きこむ方法もあります。

またT1細胞、T2細胞は互いに相手を減らし、勢力争いをしています。つまり、増えすぎたT2細胞を減らすには、T1細胞を増やせばよいのです。その働きをするのが「樹状細胞」で、ぬかづけ、ヨーグルト、納豆などの「菌」を感知すると、赤ちゃんT細胞をT1細胞に変身させてくれます。正確には、菌のDNAや細胞膜です。当然ながら、病原菌そのものを体にいれると病気になるので、ご注意を。
posted by 袋谷 at 09:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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