木材食害性昆虫の生態

京都大学生存圏研究所に行って参りました。木材食害性昆虫の生態や木材劣化生物を用いた環境修復と新規エネルギーの創成、極限状態における木材の劣化等を研究されている京都大学博士(農学部)吉村剛助教授の研究室を訪れました。

研究室には様々な国から送られてきた木が並べられており、1つ1つシロアリの食害についての実験を行われています。シロアリに強い木はヒバがありますが、豪州ヒノキ(サイプレス)も強いことがわかりました。ヒノキ、スギも白身の木の辺材は食べますが、赤身の心材は残っています。地下には飼育実験として5000万匹もいる中で研究されています。

集成材の接着剤の部分は強いかと思いましたが、全く効果無く食べられていました。その他にシロアリはアルミの板や断熱材も食べることがわかり、最近よく見られる炭パウダーや塗料において、炭単体では全く効かないこともわかりました。シロアリは元々暖かい地方に多く存在し、沖縄県では木造の建物は既にほとんど無く、鉄筋コンクリート造だということです。本州も温暖化によって徐々に北東方向へ進出し、イエシロアリは静岡県まで達しています。

あと驚いたのですが、土に接していない部分に空中に渡り歩くことができる「空中蟻道」というのもシロアリ自身が構築できるということです。


シロアリ実験飼育室 シロアリ

京都大学生存圏研究所のホームページ

居住圏環境共生分野研究室のホームページ

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック