アスベストは天然素材

 最近、アスベストが世間では問題になっています。私が入社したころは建築業界内ではもう当たり前のように危険有害物質と教育されてきていたのだが、世間ではそこまで認知されていなかったのかということがわかりました。

 私も設計をしていてよく建材を選択する際にメーカーのカタログをよく見ることがあるのですが、「ノンアスベスト」という文字がよく出ていました。私はこのアスベストについてはもう世間では使用することは全く無いものだと思っていましたが、しかし、わが国のアスベストの使用量は、現在でも、年間約20万トンとこの量は、ロシアに次ぎ、中国と第2位を争っているということで衝撃を受けました。

 アスベストとは石綿(いしわた、あるいはせきめん)とも呼ばれます。石綿という名前のとおり、綿のように柔らかな繊維ですが、鉱物の一種で、燃やしても燃えません。アスベストという言葉は、「消すことができない」あるいは「永遠不滅の」という意味のギリシャ語に由来しています。

アスベストは天然素材

 アスベストは天然の鉱物繊維で、火山から噴き出た溶岩が水で冷やされるとき、特殊な条件のもとで、アスベストの結晶が繊維状に成長していくのです。天然素材でも非常に危険なものの代表です。アスベストを、石炭と同じように掘り出して使ってきたのです。アスベストは非常に細い繊維で、1本の繊維の太さは、髪の毛の5000分の1くらいです。熱や薬品に強く、磨耗に耐え、切れにくく、紡いで織ることもでき、しかも非常に安い。こんな便利な繊維はほかにありません。一時は「奇跡の鉱物」とか「天然の贈り物」と呼ばれ、さまざまな用途に使われてきました。ところが、この便利なアスベストの繊維を肺に吸い込むと、20年から50年後にがんになるおそれがあるのです。「奇跡の鉱物」は、同時に「静かな時限爆弾」とも言われます。

 阪神大震災によって大多数の建物が一挙に崩壊したので、阪神地区では一時的にアスベストが浮遊したとも言われています。このアスベストは一旦浮遊すると自然に消えていくことは無いという恐ろしいもの。アスベストを撤去した後の処理はセメント等で固めてしまいます。

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