江戸東京たてもの園 ~収蔵建造物のくらしと建築

江戸東京たてもの園 ~収蔵建造物のくらしと建築

先日、関東に行った際に東京の小金井にあります「江戸東京たてもの園」へ行ってきました。無添加住宅では、「未来の家づくりは江戸時代に学ぶ」という本を発行していますので、江戸時代の建物と何かかかわりが無いものかと思い、この江戸東京たてもの園へ行くことにしました。
昨年の1月に江戸東京博物館へ行きましたが、その分館として平成5年に建てられました。
綱島家(農家)
このかやぶき屋根の民家は、江戸時代中期(1700年代前半)に建てられ、その後代々に受け継がれ、10代目まで住まれていた。平面は、板敷きのヒロマの西側に南北の続き間をもつ構成です。
建物全体が土壁がまわった閉鎖的なつくりで、軒の高さも低く抑えられている。
囲炉裏でいぶされた煙が屋根裏まで達し、梁や天井などの木部に付着して、外部から侵入する虫の侵入を防止したり、構造体の強度をアップし、耐久性も上げるということにもつながる。
また、土壁で覆われているため、外壁自体が呼吸できるため、現代の高気密住宅のように壁の中が結露したりして、耐久性が落ちるというようなこともない。しかし、江戸時代に建てられたとても長く使われた家でも現代の新建材でリフォームしてしまうと、壁の中が劣化し、耐久性が落ちることも皆は気づいているのだろうか・・・。
日本を代表する建築家、前川國男氏(1905〜86)の自邸です。
この建物は、戦時中の1942年に建てられました。
前川國男氏は、パリでル・コルビジェに師事し、帰国後、レーモンド建築設計事務所に勤務の後、前川國男建築事務所を設立、東京文化会館、東京都美術館等の公共建築物を主に設計しています。
あの丹下健三氏は前川事務所に働いていたとのことです。
居間に入るドアは90度回転できる戸袋を採用するなど、ディテールも見どころいっぱいです。 南側に全面吹き抜けで、下から上まで採光が入ってくるので、冬はとても暖かくいられます。この間取りは難波和彦氏の箱の家シリーズをも思い浮かべました。
小出邸
1925年(大正14年)に建てられました。
設計は堀口捨巳氏によるもので、日本最初の近代建築運動である「分離派建築会」を結成された。
建物のところどころに見られる水平線と垂直線、そして色彩による空間構成にはオランダで学んだ技法の影響を強く感じ取れる。
常盤台写真場は現在の板橋区に1937年(昭和12年)に建てられた写真館です。スラントという自然採光のしくみをもっており、照明設備の発達していない時期の特徴をよく表している。
ここは子供部屋で、机と椅子が並んでいる。 撮影室
この時代にはサッシの水切りが採用されており、銅板を加工して作られている。塗り壁の際のサッシ用水切りの原点ともいえる。
窓の金物には、真鍮製が使用されていた。 建物のデザインは昭和初期のモダニズムデザインで、最近では、このようなデザインを模したカフェなども多く現れてきている。
高橋是清邸
2.26事件で、高橋是清氏が暗殺された場所でもある。
この建物は、港区赤坂に1902年(明治35年)に建てられた。総栂普請の和風住宅で、格子は耐震目的でごく最近作られたもの。

●江戸東京たてもの園
http://tatemonoen.jp/index.html
〒184-0005 東京都小金井市桜町3-7-1(都立小金井公園内)

4月~9月:午前9時30分~午後5時30分
10月~3月:午前9時30分~午後4時30分 ※入館は閉館の30分前まで
休館: 毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合は、その翌日)
年末年始(12月28日~1月4日) ※平成23~24年の年末年始の休園日は 12月26日~1月4日

Tel.042-388-3300(代表)
■当園最寄駅はJR中央線「武蔵小金井」駅か、「東小金井」駅、または西武新宿線「花小金井」駅です。最寄駅からはバスをご利用ください。

自然素材の材料選び応援隊

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