【持続可能な素材シリーズ3 古民家再生は知識が無いと劣化する】
最近特に空き家が目立ってきています。政府調査でも平成26年時点で全国で820万戸、このまま放っておけば、平成30年予想では1076万戸、平成45年には2147万戸と言われています。
これらを有効活用しようと、空き家再生の工事をされたり、ご自分でDIYされたりと、また老朽化しているから解体する方と、様々ですが、結構、イメージで判断している方も多いようです。
外観から見て明らかに腐っているのが見えるのは、判断できますが、壁が少し崩れているくらいで判断は禁物です。床下を見て足元が腐っていない、シロアリの被害が無いとまだまだ可能性はあります。しかしこれは、あくまでも見える部分です。恐ろしいのは見えない部分。
昭和初期のような柱が現れている造りを真壁(しんかべ)といいますが、こちらはよく見えていいですが、もっと最近の昭和40年代くらいからは、柱を隠すような造りの大壁(おおかべ)に変わってきました。隠れていると、腐っているところが見えないので、要注意です。かといって真壁造りでも、リフォームしてしまっている家が多いので、こちらも要注意です。

リフォームする際は、理由として多いのが、水廻りが古くなってきたとか、冬寒いから、雨漏りしているなどが多いです。そうすると、水が漏れないように石油製品で気密を上げたり、防水したり、寒さもすきま風を遮るのに気密を上げます。要するに、今まで壁が呼吸していたのに、呼吸をさまたげてしまうのです。
そうすると、リフォーム直後は良いです。その後、時間が経つにつれて、じわじわと小さなすき間がまた空いてきます。そこから湿気は侵入します。しかし、全体がコーティングされて防水されてますので、一旦入った湿気は、柱や梁の構造体に染み込み、すき間からはうまく出てくれません。さらに壁の中に潜んでいる木材腐朽菌が湿気というエサが入ってきてくれたので、どんどん木を食べ始めます。